はじめに

【一条工務店 メンテナンス】開放型暖房器具の使用について

石油ストーブなどの開放型暖房器具は絶対に使用しない

高気密・高断熱住宅では、石油ストーブやファンヒーターなどの開放型暖房器具や、練炭火鉢を室内で絶対に使用してはいけません。

これらの暖房器具は室内の空気を汚すため、酸欠になる恐れや不完全燃焼によって一酸化炭素中毒を引き起こす可能性があります。

また、燃焼時に水蒸気が発生するため結露の原因となることもあります。

そのため、高気密・高断熱住宅では、室内の空気を汚さない暖房器具(床暖房、エアコン、電気式こたつ、オイルヒーターなど)を使用する必要があります。

開放型暖房器具の使用について

開放型暖房器具とは?

「開放型暖房器具」とは、燃焼に使った機器からの排気を室内に放出する暖房器具になります。

家の外に排気ガスを放出する装置(強制排気管)のない石油ストーブ、ガスストーブ、石油ファンヒーターなどがこれに該当します。

開放型暖房器具

石油ストーブ、ガスストーブ、石油ファンヒーターなど

室内の酸素不足によって一酸化炭素が排出されるリスクもあるため、定期的な換気が必要になります。

一酸化炭素とは?

一酸化炭素とは、炭素が燃焼するときに酸素が不十分な環境で不完全燃焼を起こすと発生する気体です。

通常、酸素が十分ある環境ならば二酸化炭素が発生します。

人は呼吸をするとき、血液中のヘモグロビンが酸素と結びついて全身に酸素を運んでいますが、一酸化炭素は酸素に比べて200倍以上もヘモグロビンと結びつきやすい性質をもっています。

そのため、一酸化炭素が発生してしまうと人の血液中の酸素が足りなくなり酸素不足に陥ってしまします。

これが「一酸化炭素中毒」です。

一酸化炭素中毒は、軽度の頭痛、吐き気等からはじまり、その後、昏倒、致命傷に至るため、無意識のうちに被災するという特徴があります。

空気中の一酸化炭素濃度と吸入時間による中毒症状

空気中の一酸化炭素濃度と吸入時間による中毒症状は以下のようになります(日本ガス協会HP参照)。

0.04%1~2時間で前頭痛や吐き気、2.5~3.5時間で後頭痛がします。
0.16%20分間で頭痛・めまい・吐き気がして、2時間で死亡
0.32%5~10分で頭痛・めまい、30分間で死亡
1.28%1~3分間で死亡

暖房機器は室内に「水蒸気を発生させる」!?

開放型暖房器具は使用することで室内に水蒸気を発生させます。

石油1ℓからは1.13ℓの水蒸気が、プロパンガスだと1.63ℓの水蒸気が発生します。

この水蒸気は窓ガラスなどに「結露」として現れ、カビやダニの発生を促す原因になります。