グランパパです。今回は「地震によって建物が倒壊するメカニズム」についてまとめていきます。
地震対策はしっかりした知識を持つことが大切です。
どのように地震が起き、どのように建物を揺れ倒壊するのかをしっかりと把握し地震対策を行いましょう!!
地震対策については全7回に分けて詳しくまとめていきますので読んでいただければと思います。
今回は「地震によって建物が倒壊する要因」についてまとめていきます。
地震によって建物が「倒壊」するメカニズム
地震が起こると、その揺れによって多くの建物が破損や倒壊といって被害を受けます。
この建物の被害には「揺れの強さ」 「揺れる時間」 「共振現象」の3つが大きな要因となっています。
①揺れの強さ:「ガル」「カイン」
耐震性の高い建物であっても、起きた地震の揺れが建物強度を上回る強さであった場合には、建物は揺れ動くことになります。
地震の揺れに対抗するためには、その力に負けないだけの丈夫な家づくりが重要になります。
地震の揺れの強さには、ガル(gal)やカイン(kine)といった単位が用いられています。
ガル(gal・加速度):cm/s2
ガルは、単位時間あたりにどれだけ速さが変化したかを表したものです。速度が毎秒1cmずつ速くなる加速状態が1ガルで、標準的な地球上の引力(重力加速度)は980ガルになります。1,000ガルは時速108kmで走る車が3秒間で急停車するときの加速度に相当します。
カイン(kine・速度):cm/s
地盤の揺れの速さを表す単位です。1カインは1秒間に1cm動いたことを意味します。
「ガル」と「カイン」については別記事にまとめてあります。
耐震等級とガルの関係
現在の日本の建築基準法では、耐震等級1に満たない建物は建てることはできないようになっています。
この耐震等級1は「震度6強から7程度までの震度に耐えうるもの」となっており、この揺れの強さは約400galに相当するので、耐震等級1の建物は400galの揺れの強さにまでなら耐えられるという考え方になります。
耐震等級2は「耐震等級1の1.25倍の強度」、耐震等級3は「耐震等級1の1.5倍の強度」の基準になっているので、耐震等級2は500galまで、耐震等級3は600galまでの揺れの強さに耐えることができることになります。
- 耐震等級2=400×1.25=500gal
- 耐震等級3=400×1.5=600gal
耐震等級1 | 耐震等級2 | 耐震等級3 | |
---|---|---|---|
耐えれる強さ | 400galまで | 500galまで | 600galまで |
耐震等級と過去に起きた地震との比較
過去に起きた大きな地震の規模を下の表にまとめてみました。
震度 | マグニチュード | ガル | カイン | |
---|---|---|---|---|
阪神淡路大震災 | 6強 | 7.3 | 891 | 125 |
新潟県中越地震 | 7 | 6.8 | 1,722 | 153 |
東日本大震災 | 7 | 9.0 | 2,933 | 117 |
熊本地震前 震 | 7 | 6.5 | 817 | 170 |
熊本地震本震 | 7 | 7.3 | 899 | 202 |
表を見てみると、耐震等級3の基準である600galをはるかに超えていることが分かります。
これだと、すべての家が倒壊してしまうのではないかと思ってしまいますが、そのようなことはなく、実際、倒壊していない建物もたくさんありました。
その理由は、ガルは加速度で一瞬の揺れの強さを表したものだからです。
建物の倒壊には、一瞬の揺れの強さだけでなく、このあと説明する「揺れている時間」と「共振現象」との組み合わせが重要になります。
②揺れている時間
建物には、釘などで止められた合板であったり、柱同士を固定する金具が使用されています。
それらの部分は、地震で揺らされれば揺れされるほど弱ってくるため、建物の耐震強度は落ちてくることになります。
とくに、釘などで止められた合板などは、地震の揺れによって釘穴が少しずつゆるくなり、釘自体が曲がってしまうこともあります。
揺れている時間が長くなるほど、建物の損傷は蓄積され、建物内部の損傷はひどくなっていくということです。
建物の耐震強度を上げるため、釘だけではなく接着剤によって合板を接合・接着し、強度を高めているハウスメーカーもあります。
下の画像はミサワホームのホームページから引用したものですが、ミサワホームの高分子接着剤はわずかな接着面で総重量約2トンの乗用車を吊り上げられるそうです。
実際にミサワホームの工場見学に行きましたが接着剤はかなり強力でした。
③共振現象
地震が起きた際には揺れる地面の影響で建物も揺らされますが、建物の揺れと地震の揺れが重なってしまうときがあります。
この場合、建物の揺れはどんどん大きくなっていきます。
これが、「共振現象」になります。
公園のブランコの揺れのリズムに、押すリズムを合わせることでどんどん揺れが大きくなる現象と同じです。
建物が揺れるリズムは、建物ごとで異なり「高さ・重さ・固さ」などによって決まります。
そして、この建物ごとの周期を「固有周期」と呼びます。
固有周期は、小さい建物ほど短い周期になり、大きい建物ほど長い周期になります。
建物の固有周期が、地震の揺れの周期と同じになってしまった場合、建物の揺れは大きくなってしまいます。
参考動画
建物の固有周期と地震の揺れの周期が重なり共振現象が起きてしまった場合に、建物は大きく揺らされてしまうことになります。
この共振現象を分かりやすく説明している動画があるので、興味がある方はご参照ください。
地震によって建物が「倒壊」するメカニズム|まとめ
地震によって建物が倒壊することについては、「揺れの強さ」「揺れる時間」「共振現象」の3つが大きく影響します。
そして、この中で一番影響が強いのが”共振現象”です。
いくら小さい地震であったとしても、その地震の揺れの周期と建物の固有周期が重なってしまえば、強い揺れになり大きな影響を及ぼしてしまいます。
これからの時代において、耐震等級3以上の耐震性能を持った家づくりをするのは必須条件ですが、そのことに加えて、共振現象によって大きな被害が出たときへの準備をしっかりしておくことが大切になりそうです。
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